へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「なんで俺らの、マネージャーになったわけ?」
「劇団を辞めたあと、
社長がいきなり、私のところに来たの。
東京で、アイドルやらない?って」
「蓮見が、アイドルになっていたかも
しれないってことかよ?」
「やらないよ。アイドルなんて。
歌って踊るのなんて、私には無理って思ったし。
でも、社長がしつこくて」
「で?」
「諦めてくれた。アイドルの方は」
「ってことは、その時、言われたのか?」
「そう。アミュレットの
鬼マネージャーをして欲しいって」
今まで培った演技力を捨てるには、
もったいないからって。
嬉しかった。
この社長に、すがるしかないとさえ思った。
だって私。
自分の知り合いが一人もいないところに、
逃げたいって思っていたから。