へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 俺の体を揺すり。
 声を荒らげるように、訴える蓮見。



「マトイは忘れて欲しいの?
 そんなに私のこと、大嫌いなの?」



 嫌いなわけねぇじゃん。


 オマエのこと
 何年思い続けてると思ってんだよ。



「もう、マトイに会わないから。
 アミュレットのライブだって、
 絶対に行かないから」


「……」


「お願い……
 マトイとの思い出……消さないで……」



 俺の膝に顔をうずめ。
 子供みたいに泣きじゃくる蓮見。


 見ている俺だって
 心が引きちぎられそうなほど痛む。



 蓮見にこんな苦しい思い、させたくないんだよ。


 
 蓮見だって、俺との記憶がなくなれば
 辛い思いが消えてくれるんだろ?

 楽になるんだろ?



 俺だって、オマエに俺のことを
 忘れて欲しくねぇけど。

 ずっと俺のことだけ、好きでいて欲しいけど。


 そんなワガママ、絶対に言えない。


 だって俺は蓮見のことを

 絶対に幸せにはできないから。

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