へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「春!
なんで俺の名前が、載ってるんだよ!」
「そんな細かいこと気にしてたら、
ハッピーが逃げちゃうよ」
笑顔でウインクって。
目を吊り上げた俺に向かって、
よく笑顔なんて作れるな。
その図太い神経。マジで、尊敬するわ。
「恋愛ものの時代劇だよ。
マー君は、ヒロインを命がけで助ける王子様役ね」
「時代劇だろ? 王子って……」
「マー君、まだ気づかない?」
おとぼけ顔の春から、台本に視線を移す。
ん?
んん?
「はぁぁぁぁぁぁ???」
「マー君、喜びすぎ!」
明らかに、喜んでねえぇだろ!
怒りに近い、驚き声だっただろ!