へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「染谷さん、すいません。
 もう、稽古の時間、過ぎていましたね」



「璃湖ちゃんのことだから、
 ミシンをカタカタやってくれていたんでしょ?」



「はい。ちょっと、集中しすぎちゃって」



「ほんと、真面目なんだから。璃湖ちゃんは」



 二人で視線を絡めて、アハハって。



 蓮見の彼氏は、にんまり貴公子の染谷さんか。

 多分、間違いねぇ……


 
 
「璃湖ちゃん、みんなには先に紹介したんだけど。
 こちらが、舞台で主役を務めてくれるマトイ君」



「蓮見です。よろしくお願いします」


 深々と丁寧に、頭を下げた蓮見。
 


 俺たちのマネージャーをしていた頃の
 蓮見と重なり、
 いろんな思い出が蘇りそうになる。

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