へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
緩みそうになった頬を指で突いて。
なんとか、平常心に近づけようと努力をするも。
蓮見の頬が、いきなりボッと赤くなり。
気まずそうに瞳を伏せた姿が
俺の眼に映ったせいで、
勝手に脈が速くなっていく。
やべっ。
俺らを包む、気まずいこの空気。
浄化マシーン搭載の春輝がいない今。
俺が、何とかしねぇと。
「俺、さっきの質問の答え、聞いてないんだけど」
あ~。なんで俺。
このタイミングで、
もっと気まずくなる話題、振っちゃった?
恥ずかしさをごまかすように
強く吐き捨てた俺の言葉は、
もう消すことなんてできなくて。
あとは、蓮見の返事を待つことしかできない。
「マトイ君の髪、いじってもいい?」
全く答えなっていない、蓮見の返事。
あっけにとられた俺は、
何も考えず「ああ」とだけ、つぶやいた。