へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
 
 大好きな蓮見が、
 抱きしめられるくらい近くにいて。


 ウエーブのかかった蓮見の長い髪が
 誘惑するように、俺の頬に触れて。


 大好きな匂いが、俺の鼻をかすめて。


 この状態で、平常心でいられるって奴の方が、
 希少価値高すぎだからな!!



 ダメだ。思いだせ。
 俺がここに来た理由を。



 蓮見が幸せかどうか、
 確認するために来ただけだから。


 俺が今、蓮見を抱きしめたら、
 蓮見の記憶を消した意味が、なくなるんだから。



 この先の蓮見の人生に。

 俺が存在しては、いけないんだから。


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