へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 煙が出そうなほど、熱を帯びている俺に、
 蓮見は、全く気付いていない。



 俺の周りをグルグル。何周もグルグル。

 真剣な瞳で、俺に視線を突き刺してくる。



 蓮見がマネージャーをしていた頃は、
 衣装チェックの度にされていたことなのに。


 俺の全てを見られているようで
 心まで、見透かされそうで。


 今は特別。
 すっげー、恥ずかしすぎ。



「衣装のサイズは、問題がなさそうだね」



「なんで、俺のサイズがわかったわけ?」



「染谷さんに、
 マトイ君の事務所に電話をしてもらって、
 部位ごとの寸法を確認してもらったの」



 俺の衣装を作るのに、そこまでしたのかよ?
 


 自分が納得いくまで、こだわるところ。

 記憶を消しても、変わんねぇな。

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