へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
どうしよう。
私のせいで、舞台を降板するなんて言い出したら。
公演が中止になっちゃう!!
背筋がゾゾゾと震え。首筋に冷汗がたらり。
マトイ君の怒鳴り声を、唾をのみ込みながら待つ。
私はビクビクしていたのに。
マトイ君の口から出た言葉には、
豪快な笑い声が含まれていた。
「そういうの、いらねぇから」
なんでマトイ君、
子供みたいに無邪気に笑っているの?
「鬼のお面を貼り付けても、俺には効き目ねぇからな」
キャー! バレてるよ!
本当はマトイ君に怒っていないって、バレバレだよ!
「ま、蓮見のその顔。嫌いじゃねぇけど」
ひぃえ!!
や……やめて!!
恥ずかしそうに、瞳をそらすとか。
真っ赤になった顔を、手のひらで隠すとか。
本当にやめてください!!
私の心がギューって縮んで、苦しくなっちゃうから。