へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「蓮見に会わせろって、
ギャーギャーうるせー奴がいるからさ。
黙って、ついて来てくれない?」
「今から?」
「なんか、用事でもあるわけ?」
明日は仕事が休みだし。
特に、予定もないけど。
とりあえず、首を横に振った途端。
私の手首をつかまれた。
「ちょっと……マトイ君……」
いくらマスクと帽子で顔を隠しているからって。
芸能記者に写真を撮られちゃったら、
一発アウトだよ。
『姉です』なんて微笑んでも、絶対にバレちゃうし。
「手……離して……」
「は? 俺に命令してんの?」
命令というか……
お願いというか……
「俺、すっげームカついてるんだけど」
「え?」
「2日間、俺様を無視するとか。
ありえねぇんだけど」
だってそれは。
マトイ君が……
私の心を惑わすようなことを……するから……