へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「蓮見が、持っていてくれない?」
「え?」
「そのオルゴール。預かって欲しい」
「私が預かれば、マトイ君は楽になるの?」
楽になる。間違いなく。
だって俺、このオルゴールのせいで。
蓮見との思い出の物が、この部屋にあるせいで。
蓮見への想いが、断ち切れないんだから。
「ああ。だから、頼む」
俺の言葉に、「大切に保管するね」と
微笑んでくれた蓮見だけど。
なぜか、瞳の奥に悲しみの光を宿している。
蓮見さ、今、何に悲しんでいるわけ?
俺のことなんて、覚えてないんだろ?
今のオマエは、俺を好きだって思いも、
消えてなくなっているんだろ?
そんな辛そうな顔、すんなよ。
オマエの心の中の悲しみを、
今すぐ取りのぞいてやりてぇって、
思っちゃうからさ。