へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「そう……だよね……」
俺の目の前。
どうしようもないほど、大好きでたまらない女が、
痛々しい笑顔を顔面に貼り付けている。
「マトイ君。他に好きな子がいるしね」
だから、笑うなって。
苦しそうに、瞳を揺らしながら。
「私じゃ……
その子の代わりには……ならないよね?」
何も答えられない俺に、
蓮見は、深々と頭を下げた。
「舞台の本番、よろしくお願いします」
そして蓮見は、俺の部屋を出て行った。
オルゴールを、置き去りにして。