へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「そして、マトイ君」



 俺が大好きな甘い声が、俺の名前を呼んだ。



 たったそれだけなのに。
 
 嬉しくて。


 俺の脳が、とろけそうになる。



「夢を叶えてくれて、ありがとう」



 夢って、何のことだよ?

 そう、聞き返そうと思ったのに。



 俺の首に絡んでいる蓮見の腕が、
 さらに強く、俺を抱きしめた。



 そしてふわっと、 腕がほどけた。



 俺から離れていく蓮見を、
 見つめることしかできない俺。



 ドアの前で立ち止まり、
 蓮見はくるりと、俺の方に向いた。

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