へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
ハリルに嫌みをこぼした時。
「マトイ様、入ってもよろしいでしょうか?」
城での俺の世話係が、部屋のドアをノックした。
「ああ。いいけど」
部屋に入った世話係は、なぜかアタフタしている。
「要件、何?」
「マトイ様……実はですね……」
世話係が、俺の顔色を伺うように要件を伝えた。
「は? なんだよ、それ」
「私に聞かれましても。
今すぐ行かないと、とんでもないことが起りそうで」
「わかったよ。今、行く」
俺は嫌々感で膨らんだため息を吐き出すと、
重い腰をゆっくり上げ、部屋を出た。