へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
雲を吹き飛ばしそうなほどの怒鳴り声が、
俺の心に突き刺さった。
「王子は魔法界の女としか結婚できない?
そんなしきたり、無視すればいいだけですよね?」
「できるかよ。そんなこと」
この国ができた何千年も前から、
続いてきたしきたりだぜ。
国王の親父だって。国民だって、納得しねぇだろ?
「蓮見がこの国の女王になって、
お前らは従えるのかよ?」
「喜んで」
「はぁ? 蓮見は、魔法一つ、使えねぇんだぞ」
「そんな物、必要ですか?」
当たり前だろ。
俺の母さんは魔法界の血が流れているけど。
もともと人間界育ちで、
ろくに魔法なんて使えないまま親父と結婚して、
女王になるために、必死に魔法を習得したんだぞ。