へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「カリスマ性があって。王子と対等に言い合えて。
自分を犠牲にしてまで守りたいって、
マトイ様が思える相手は、
はすみんしかいませんよね?」
そりゃ、そうだけど……
「マトイ様が、愛情を感じない女性を女王に選んだら。
その時は覚悟しておいてください」
「何をする気だよ?」
「マトイ様がはすみんを抱きしめている映像を、
その女性に見せつけますから」
俺を睨みつける数えきれない瞳が、
その女と同意見と言わんばかりに、上下に揺れた。
「俺様相手に、生意気だな。オマエ達」
「たくましいでしょ?
私達、人間界でアイドルやっている、
破天荒な王子がいる国で育ったんですから」
ムカつくほど生意気な言葉を言い放った女は、
フッと笑みを浮かべた。
俺を囲む数えきれないほどの女たちも、
微笑んでいる。
確かに、たくましい女達だな。
でも、魔法界のしきたりは、
そんな簡単に壊せねぇよ。