へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
諦めのため息とともに、視線も落とす。
その時。
「痛っ。ちょっと、やめろって」
とんがった針を、体中に突き出したハリルが現れ。
回転しながら、何度も俺の頭にぶつかってきた。
「だから、痛いって言ってんだろ。ハリル!」
情けない俺の言葉なんて、無視。
ハリルは、ますます目を吊り上げ、
何度も何度も、俺の頭にぶつかってくる。
「ハリル、やめてあげて。
マー君が、流血王子になっちゃうから」
流血王子って。
そんな恥ずかしいあだ名付けんなよ。
って、春輝までいるし。
春輝は「おいで」とハリルに微笑むと、
胸にスポッと抱きしめた。