へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
お守り
☆璃湖side☆

 舞台後の楽屋で、最後にマトイに会ってから、
 一週間が過ぎた。



 私は今、自分の部屋のベッドに寝転がり,

 枕に顔をうずめ、舞台当日を思い出している。



 舞台後。

 お客さんのお見送りで、
 ぽつんとロビーに立っていた私。



 セリフが一言の私を見に来た人なんて、誰もいない。



「見に来てくれてありがとう」と、手を振って
 知り合いに駆け寄る劇団仲間を
 羨ましく見ていた時、

 マトイファンの女の子に、声をかけられた。



「アミュレットの、
 元マネージャーさんですよね?」って。


「アミュレンジャーショーで一緒に写真を
 撮ってもらったんですけど、
 覚えていませんか?」って。



 その子が見せてくれた写真には、
 女怪人姿の私が、はっきりと写っていて。


 他の写真には、
 アミュレットのみんなとステージに立つ、
 私の姿まであった。




 その時、思い出した。

< 402 / 421 >

この作品をシェア

pagetop