へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
まさかねと思いながら、玄関ドアを開ける。
そこには、
自信なさげに瞳を揺らす、マトイが立っていた。
「どうして……ここに?」
「ハリルに頼んだ。
蓮見のとこに、連れてけって」
ハリルって。
以前私を魔法界に連れて行った、
空とぶハリセンボンだよね?
「入っても……いいか?」
ずっと、うつむいたままのマトイ。
普段の威勢のよさが消えていて、
つい、リビングに通してしまった。
「ソファに座って」と、 私が促したのに。
マトイは、部屋の中央に立ちつくしたまま、
床を睨みつけている。