へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「ちょ……ちょっと。マトイ、離して」
「……ムリ」
「マトイの相手は、私じゃダメなんでしょ?
魔法界の人じゃないと……」
「俺、いい子やめるわ」
へ?
「魔法界の王子だからって、
自分の一番大事なもん、手放したくねぇし」
それって……
「蓮見と、ずっと一緒にいたいってこと」
穏やかで大好きな声が、耳に届き。
脳をとろんと溶かしていく。
抱きしめられたまま、見上げると。
私を優しく見つめるマトイがいた。
うぅぅぅぅぅ……
ズルいよぉ……
マトイが特別な時にだけ見せる、優しい笑顔。
私の心臓が、キュンキュン飛び跳ねちゃうんだから。