へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「でも……魔法界のしきたりは?」
「魔法界中の国民を、俺が説得する」
「そんなこと、できるの?」
できないから、
ずっと悩んでいたんじゃないの?
「悪あがきかも知んねぇけど。
俺、蓮見のこと、絶対に諦めたくねぇし」
マトイの瞳に、私だけが写っていて。
嬉しくて、涙が零れそうになる。
「それに今は、蓮見のおっかねぇファンが、
ついていてくれるしな。
だから……」
だから……なに?
マトイは抱きしめていた腕をほどき、
私の右手首を掴み。
私が着ているシャツの長袖を、
肘までまくり上げた。
「いきなりどうしたの? マトイ?」
「前に言ったよな?
俺の文字が、蓮見にとってのお守りだって」
言った……けど……