へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 マトイ達は、中央ステージから
 4本に伸びた道をそれぞれ走り、

 お客さんに、お守りを投げている。




 そしてマトイは、私の前で立ち止まった。




 『マトイ君!』

 『お守りちょうだい!』



 手を伸ばすファンの子たちに、
 穏やかな笑顔を向けたマトイ。



「みんな、ごめんな。
 これだけは、
 俺らの元マネージャーに渡したいから」



 そう言って、ステージの上から、

 紫のお守りを私に差し出す。



「俺たちのこと、
 ずっと応援してくれてありがとな」



 うぅぅぅ…… 

 マトイが私に、お礼を言ってくれたよぉ……



「あと……お待たせ」



 え? 

 お待たせって、何のこと?




 ひゃっ!!


 マトイが私に、ウインクした!!



 そんなキャラじゃなかったよね?

 マトイ、どうしちゃった?




 でも……


 心臓が震えちゃうほど、キュンキュンしたよ。

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