へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「蓮見、何?」



「え?」



「だから、昨日の電話。要件、何?」



「あ~、あれね。なんでもない」



 なんでもねぇわけ、ないだろ?


 本当に、彼氏と間違えて
 電話かけてきたのかよ!



「用もないのに、電話かけてくんな!」



 蓮見への想いがばれないように、
 きつい言葉をぶつけたのに。


 予想とは180度違う、
 穏やかな声が返ってきて。

 俺の心を困惑させた。



「マトイ、ありがとね」



 え?



「昨日の電話…… 出ないでくれて……」



 なんだよ…… それ……


 なんで今、俺に、
 女神みたいな微笑みを向けてんだよ。



 いつもは俺のこと、睨んでばっかりなのに。

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