へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

「もうマネージャー。
 冗談に聞こえないよ~」


 陽気な春の声に、目を細めた蓮見。



「あんたたちに冗談言う意味、私にある?」


 と、ゾンビ声。



 マジなのかよ?

 俺たちのマネージャーを辞めるって。



 いきなり、なんでだよ??!!

 

「蓮見、俺たちのこと見捨てるわけ?」



 イライラを詰め込んだ俺の言葉に。

 蓮見は、落ち着きのある声を放った。



「逆よ。
 あんたたちのことを、託すの。雪城さんに」



 は?

 意味わかんねえこと言ってんなよ。



「雪城さんは、有名アイドルのマネージャーを
 数多くされてきた方なの。

 大活躍中の『フリージア』だって
 雪城さんが育てたんだから」




「私は、大したことなんてしてないのよ。
 あの子たちが頑張ってくれただけで」


 優しく微笑む雪城は、
 ムカつくほど笑顔が似合う。



 でもそんな笑顔。

 俺はいらねぇ。

< 57 / 421 >

この作品をシェア

pagetop