へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

『じゃあ、璃湖ちゃん。
 今までお疲れさまでした』



『え?』



『アミュレットのマネージャー、
 今日までってことで』



『ちょ……と……それは……』



『だって。
 アミュレットが全国デビューしたら
 東京の本社で、レッスンとか打ち合わせでしょ?

 フラれた相手に仕事場で会うなんて、
 ゾッとするから。俺』




『でも。私がマネージャーを辞めたら……』



『大丈夫。
 どうせフラれるって思ってたから。
 もう、人事に通してあるんだよね』



『え?』



『璃湖ちゃん、雪城さんって知ってる?』



『もしかして……
 フリージアのマネージャーだったっていう……』



『そう。
 明日からアミュレットのマネージャーは
 雪城さんね』



『経験豊富だし。

 他のアイドルグループから
 アミュレット、ずるいって
 文句が飛んでくること覚悟の
 贅沢な抜擢だからね』

 副社長は、そう付け足したけれど。


 この時点の私は、まだ納得できなかった。
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