へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目

 椅子から降り
 私は玄関ドアの前まで来た。



 まだ乾ききらない、涙の跡。

 悪あがき程度に拭って、ドアノブを掴む。



 ゆっくりドアを押すと

 いつもの俺様感が薄らいだ
 自信なさげなマトイが立っていた。




 私は、どんな自分で
 マトイに接するべきなんだろう?



 今まで通りの、鬼マネージャー?


 それとも
 アミュレットオタクの、本当の自分?




 考えてもわからなくて。

 どうしていいかもわからなくて。



 今まで通り
 鬼のお面を顔に張り付ける。
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