へたれアイドル王子 卒業します アミュ恋 4曲目
「マトイ、そろそろ帰ったら?」
毎日、忙しすぎなんでしょ?
私なんかのことに時間を使うなんて
もったいないよ。
「それとも、
彼氏にフラれてダサダサの私を、
慰めようとか思ってくれているの?」
2人の間に漂う、ねずみ色の空気。
一掃したくて
イヒヒと悪めいた顔で
冗談を言ったつもりだったのに。
「俺に慰めて欲しいわけ?」
真剣な顔のマトイに
見つめられてしまった。
ちょ……ちょっと。
なんで、
まっすぐに私の瞳を見つめるの?
捉えられてしまった私の瞳。
逸らしたいのに。
魔法にかけられてしまったように
マトイの瞳から逃れられない。