あの~、恋ってどう始めるんでしたっけ?
あっという間に新江ノ島水族館に着いた。休日なので、かなり混んでいる。チケットを買うときに、友達なんだから、私も払う、って言ったんだけど、
「ここは、男に格好つけさせてよ」
って払ってくれちゃった。
「ありがとう」
「はぐれないように、手、繋ごう」
え・・・なんだか、ドキドキしているのは私だけ?雅紀はごく自然に私の手を取った。
イルカプールに行ったら、イルカショーの真っ最中で、一番後ろからでよく見えなかった。そしたら、雅紀さんが、
「ショーが終わったら、すぐ、次のショーのために席取ろう。実紀ちゃん、見たいところあったら、見てきていいよ。僕、待ってるから」
ぶんぶんぶん、思いっきり、かぶりをふった。そして、思い切って言った。
「雅紀さんとずっと一緒にいたいです」
雅紀さんがふっと横を向いて小さく呟いた。
「なんでそんな、可愛いこと言うかなぁ」
「えっ?何?」
「いや・・・じゃあ、飲み物でも買っとく?一緒に買いに行こ」
「うん」
雅紀さんの手の温もりがほんの少しまた温かくなったのは気のせいだろうか。2人でジューススタンドでウーロン茶を2つ買って・・・ショーがちょうど終わるころだった。
「よしっ!前の方に座るよ」
雅紀さんに手を引かれて、前から3列目に座る。
「次は・・・13時からか。ここでお昼、食べちゃう?」
「いいのかな?」
「食べている人も、いるよ。実紀ちゃんのお弁当、楽しみだな」
私は、お弁当を開けてみせる。海老と鶏のマヨネーズ炒め、ミートボール、それにブロッコリー。あと、おにぎりを2個ずつ。
「少なすぎた?」
「いや、あとでbillsでパンケーキ食べるから。billsは、ディナーしか予約取れないんだって。少し待つかも。」
「大丈夫。楽しみだなぁ、ふっわふわのパンケーキ」
お弁当を食べ始めて、雅紀が
「おいしいよ。これ、全部、手作り?」
「うん、一応」
「才能あるね、料理の」
「そんなぁ」
本気で、照れる。しばし、無言になる2人。でも、敢えて話をしなくても、雅紀が美味しそうに食べてくれているのが分かったので、居心地の悪い沈黙ではなかった。
「実紀ちゃんは」
雅紀が唐突に口を開いた。
「どんな中学生、だったの?」
「どんな・・・う~ん、今と変わらない、地味な女の子でした。友達も多い方じゃなかったし、勉強も運動も平均。なんで、彼が私を好きになったか不思議なくらい」
「分かるよ。その、ものすごく、率直で真っ直ぐなところ」
「えっ・・・と。ありがとう。雅紀さんは、どんな中学生だったの?」
「リーダーシップを取りたがるほうだったなぁ。学級委員とかやってたなぁ。勉強にもスポーツにも力入れてた」
今の雅紀を見ればわかる。きっと・・・。
「そうとう、モテたでしょう?」
「あぁ。同級生からも、下級生からも慕われた。でも、僕自身、つきあいとかってあまり興味なくて、断ってたな。だから、初めてつきあった彼女は、高校に入ってから。5年続いて、別れてそのあと、大学時代からの彼女と半年前まで付き合って」
「そうなんだ・・・」
過去は過去、そう思ったけど、何となく気分が落ちてきてしまった。私は、感情を隠すのが苦手だ。思いっきり、暗い顔をしていただろう。
「ごめん。今は、完全に切れてるから」
「あっ、ううん、私こそゴメン。こっちからふったのに」
あれれ・・・涙が流れてきた、と思ったら、頬に柔らかくて温かい感触。
「えっ」
「ごめん、もう、泣かせるようなことは言わないよ」
ちょっと照れてる雅紀。
えっ、えっ、え~~っっ?頬にキス、されちゃったのっ!?
「ここは、男に格好つけさせてよ」
って払ってくれちゃった。
「ありがとう」
「はぐれないように、手、繋ごう」
え・・・なんだか、ドキドキしているのは私だけ?雅紀はごく自然に私の手を取った。
イルカプールに行ったら、イルカショーの真っ最中で、一番後ろからでよく見えなかった。そしたら、雅紀さんが、
「ショーが終わったら、すぐ、次のショーのために席取ろう。実紀ちゃん、見たいところあったら、見てきていいよ。僕、待ってるから」
ぶんぶんぶん、思いっきり、かぶりをふった。そして、思い切って言った。
「雅紀さんとずっと一緒にいたいです」
雅紀さんがふっと横を向いて小さく呟いた。
「なんでそんな、可愛いこと言うかなぁ」
「えっ?何?」
「いや・・・じゃあ、飲み物でも買っとく?一緒に買いに行こ」
「うん」
雅紀さんの手の温もりがほんの少しまた温かくなったのは気のせいだろうか。2人でジューススタンドでウーロン茶を2つ買って・・・ショーがちょうど終わるころだった。
「よしっ!前の方に座るよ」
雅紀さんに手を引かれて、前から3列目に座る。
「次は・・・13時からか。ここでお昼、食べちゃう?」
「いいのかな?」
「食べている人も、いるよ。実紀ちゃんのお弁当、楽しみだな」
私は、お弁当を開けてみせる。海老と鶏のマヨネーズ炒め、ミートボール、それにブロッコリー。あと、おにぎりを2個ずつ。
「少なすぎた?」
「いや、あとでbillsでパンケーキ食べるから。billsは、ディナーしか予約取れないんだって。少し待つかも。」
「大丈夫。楽しみだなぁ、ふっわふわのパンケーキ」
お弁当を食べ始めて、雅紀が
「おいしいよ。これ、全部、手作り?」
「うん、一応」
「才能あるね、料理の」
「そんなぁ」
本気で、照れる。しばし、無言になる2人。でも、敢えて話をしなくても、雅紀が美味しそうに食べてくれているのが分かったので、居心地の悪い沈黙ではなかった。
「実紀ちゃんは」
雅紀が唐突に口を開いた。
「どんな中学生、だったの?」
「どんな・・・う~ん、今と変わらない、地味な女の子でした。友達も多い方じゃなかったし、勉強も運動も平均。なんで、彼が私を好きになったか不思議なくらい」
「分かるよ。その、ものすごく、率直で真っ直ぐなところ」
「えっ・・・と。ありがとう。雅紀さんは、どんな中学生だったの?」
「リーダーシップを取りたがるほうだったなぁ。学級委員とかやってたなぁ。勉強にもスポーツにも力入れてた」
今の雅紀を見ればわかる。きっと・・・。
「そうとう、モテたでしょう?」
「あぁ。同級生からも、下級生からも慕われた。でも、僕自身、つきあいとかってあまり興味なくて、断ってたな。だから、初めてつきあった彼女は、高校に入ってから。5年続いて、別れてそのあと、大学時代からの彼女と半年前まで付き合って」
「そうなんだ・・・」
過去は過去、そう思ったけど、何となく気分が落ちてきてしまった。私は、感情を隠すのが苦手だ。思いっきり、暗い顔をしていただろう。
「ごめん。今は、完全に切れてるから」
「あっ、ううん、私こそゴメン。こっちからふったのに」
あれれ・・・涙が流れてきた、と思ったら、頬に柔らかくて温かい感触。
「えっ」
「ごめん、もう、泣かせるようなことは言わないよ」
ちょっと照れてる雅紀。
えっ、えっ、え~~っっ?頬にキス、されちゃったのっ!?