【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「確かに。でもそんなハッキリ言う事ないじゃないですか。デリカシーが無いんですよ、あなたは。
この間も山の様に美容グッズ持たせたと思ったら、ダイエットサプリが大量に入ってましたし」
「色気もくそもない女にデリカシーなんて言われたくないね。 っと、電話だ。」
サッとソファーから立ち上がり、リビングを出て行く背中。
憎たらしいったらありゃしないけれど、朔夜さんが横屋敷家を訪れる度に、心のどこかで喜んでいる自分が居た。
「もぉー、本当に酷い言い方ですよね?」
朔夜さんが出て行ったリビングの扉を指さして言ったら、悠人さんが頬杖をついてにんまり笑う。
「まりあ、楽しそう。」
「え?!」
「何か最近のまりあ、明るくなったなぁ~って。
それに朔夜もまりあと一緒だと何だかんだ嬉しそうで、俺は嬉しい。」
「そんな…別に…そういう訳じゃなくって」
「へへ。俺が勝手に嬉しいだけだから。 それよりまりあどれから食べる~?
俺はこのさくらんぼが沢山乗ってる奴!」
「あ!それ私も目をつけてた奴だ!」
「じゃあ半分こしよう!」
「はい!半分こ!」
悠人さんは私の二個上とは思えない程、可愛い。
見た目も可愛らしけれど、性格も可愛い。女子より女子力は高めで、いつもニコニコしている。
さくらんぼのタルトはちょっぴり酸味があって、甘いクリームと絶妙にマッチしていてとても美味しかった。