【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「あはは、俺癒し系?うーん、よく言われるけどまりあに言われるとなお嬉しい。
でもほんと……智樹さん達の生い立ちはヘビーだからね、本人達も大人になってもその傷を癒せない部分はあると思うのね。
でも俺はぁー、両親の顔は知らないけど、捨てられたとかって訳じゃないから」
「そうなんですか?」
「うん。俺は両親の事故によって親を失っちゃった子だから。
それなら仕方がねぇなぁーって小さい頃は寂しい想いもした様な気がしなくもないけど
春太さんは優しかったし、智樹さんや朔夜も俺の面倒を見てくれたから、あんまり孤独を感じた事はない。」
「きっと…そんな悠人さんの優しさが智樹さんや朔夜さんの支えにもなっていたと思います。」
そうだったらいいなぁーとやっぱり悠人さんはにんまりと笑う。
だって私でさえこんなに癒されるんだもん。可愛らしい悠人さんの笑顔を見ていると。
バナナのタルトを半分に割っていると、悠人さんは思い出した様に言った。
「そういえば、明日親戚の集まりで智樹さんが大切な話があるって言ってたけれど、まりあ何か聞いている?」
「え?私は何も聞いていませんけど…」