【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
さっきまで怖い顔をしていたかと思ったけれど、朔夜さんが出て行った後はいつも通り優しい笑顔を私へ向けてくれる。
時たまとても怖い顔をする智樹さんに不安になる。
「まりあ、大丈夫か?」
「はい…。何かされていたわけじゃなくって、スキンケアの事などを教えて貰っていただけなので
朔夜さんは何も悪くありません」
私が朔夜さんを庇うような発言をするから、智樹さんは面白くなさそうな顔をする。 どうしてこの二人はこんなに仲が悪いのだろうか。
「そうだ、まりあ後で部屋に行く。 君に渡したい物がある。」
「渡したい物ですか…?」
何だか嫌な予感がする。
部屋に戻りのんびりとした時間を過ごしていると、1時間後智樹さんが部屋をノックする。
その手の中には真っ白な大きな紙袋が握られていた。大きな袋二つと、小さな袋が一つ。
「どうしたんですか?」
「明日の親戚の集まりに来てほしい服を買って来た。」
「え…?でもお洋服ならクローゼットの中に沢山ありますし…」
ここに来た時、一通りの洋服は揃えられていた。 それに智樹さんにプレゼントしてもらった服や靴も沢山ある。
どれも高級品ばかりだった。 フォーマルなワンピース類も沢山あったのに、何故? そう思っていたら、智樹さんは箱から美しい白のレースの付いたドレスを取り出した。
それを私に合わせ、満足気に微笑む。