【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「ま~りあッ。元気?」
「悠人さん、お久しぶりです。私は元気です。」
「今日はねぇ~、まりあに美味しいマカロンを買って来たの。カラフルで可愛いんだよぉ~ッ」
「ありがとう…。悠人さん。」
悠人さんはソファーに座りいつもと変わらない無邪気な笑みを浮かべる。
色とりどりの可愛らしいマカロンには、動物のイラストがプリントされていた。 彼が私を気遣ってくれていた事は薄々勘付いていた。
ずっと孤独だった。肉親もいなく、周りの人間関係は薄っぺらで裏切られたり、嘘をつかれたり、それでも誰かの愛を期待せずにはいられなかった。
そんな私が出会ったのは、美しい館に居る美しい三兄弟だった。
その中で悠人さんと朔夜さんはとても私に良くしてくれたんだ。今日もこうやって悠人さんは私を気遣い、智樹さんの居ない時間を見計らって会いに来てくれた。
「美味しい。」
ピンクのマカロンを口にすると、ストロベリーの甘酸っぱい香料が口いっぱいにじんわりと広がった。
その様子を見て「あーッ」と悠人さんが大袈裟に嘆く。
「まりあ酷いじゃん~…俺もストロベリー食べたかったのにぃ~。こーゆー時は半分こだろう?」
「あー…ごめんなさい。私ったら自分の事ばかり。」