【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「それもきちんと智樹さんにお話しします…。 でももしも私から何かを言ったら…智樹さんは朔夜さんに…」
そこまで言いかけて、朔夜さんはぎゅっと私の体を抱きしめた。
「あー、うるせぇ。
もう何も言うな。」
溶け込んでいく様な温もりに、また涙が出そうになった。
私が欲しかった物。 愛情のその全てが、この人の中にある。
ぶっきらぼうで不器用だけど、本物の愛情が。
「朔夜さん、彼女が居たって…
朔夜さんの会社のモデルの人だったんでしょう?
私には普通の人だって言ってたくせに、嘘つき…」
「ま~た悠人が余計な事を言ったんだろう。 別に俺にとっては普通の女だったんだよ。
俺にとっちゃお前だって十分普通の女だがな。
まりあに中々会いに行けなかったのも、自分の中でけじめをつけたかったからで…随分時間がかかった。
でも俺は、自分の中の事きちんと清算してからじゃないとお前に気持ちを伝えたくなかった…」
「どうしてあなたは…こんな私を好きだと言ってくれるの?」