【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

「春太さんがまりあを探しているのはずっと知ってた。 俺達兄弟も春太さんの願いでまりあを探してた。身辺だって探ってた。
その時は生気のない女だなーって思ってた。笑いもしなけりゃ泣きもしないような、感情を全て失った女だと思った。
けれどお前を見つけた海で、月明かりに照らされたお前の姿は、すごく綺麗だった……。出会ったばかりなのに、すごく気になっていたんだ。」

寄り添いあい抱き合う二人。
朔夜さんは自分の膝に私をちょこんと乗せて、愛おしそうにその髪を何度も撫でる。
こんなに優しく、誰かに触れられたのも…初めてだったの。

「お前は自分が汚れている人間だと思っているのかもしれないが、俺はそうは思わない。
お前の過去を聞こうと…お前が誰に抱かれようと… 俺の気持ちは変わらない。 お前は汚れていない。
まりあを愛している」

愛している。その言葉がこんなに温かいものだったなんて

ずっとずっと求めていた言葉。 思わず頬に温かい物が落ちていく。 それが喜びからくる感情である事にはとっくに気が付いていた。

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