【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「朔夜さん、私智樹さんに抱かれたの。何度も何度も…」
「うん……」
「気持ちのないセックス。そんなの今まで誰とでもしてきた事だから何でもないって思ってた。
智樹さんが私の事を好きじゃないのなんて分かってたし、智樹さんが私と結婚したいと望むのは、横屋敷の全てを手に入れる為なの。
だから淡々と行われるその行為さえどこか他人事のように思えて…
でも私、それを朔夜さんにはどうしても知られたくなかった…」
「ああ…」
言葉は少なかったけれど、朔夜さんは代わりにぎゅっと私を抱きしめた。
「今日祖父に言った通り…横屋敷家の権利と遺産は全部放棄する。…朔夜さんはそれでも私と一緒に居てくれる?」
「馬鹿だなぁ…あたりめーだろ。
俺はまりあの金とかそーいうのには全く興味がねぇ。
何も持たず、過去は捨てて俺の所へ来ればいい」
「…智樹さんの事は説得する。 大丈夫、祖父にも全部話した。それが私の一番の願いだって。
それさえ聞いてくれれば、智樹さんもきっと納得する」
「そうかな……」
ぽつりと小さく漏らした言葉。