【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「俺は、智樹さんは……横屋敷家というよりも――
まりあに執着しているように見えた」
それは意外な言葉だった。 朔夜さんの胸の中、頭を横に振る。
「智樹さんは私自身には興味ないよ…。今日だって自分の秘書を家まで連れ込んで…
その人と抱き合っているの、私見たもの。
だから横屋敷の遺産を受け取れない私は彼の中で用済みだと思う。
…それに多分智樹さんは私を嫌ってると思う…。憎いとさえ思っていると感じるの」
私への異様な抱き方は、憎しみさえ感じた。 初めに私へ優しくしてくれたのは、全部演技。 私を物のように扱うあの時のあの人の方が本性なのだ。
「憎しみと愛はどこか紙一重な部分がある…。
俺…まりあはもう智樹さんに会わない方がいいと思ってる。
話し合いなら俺が代理でしてもいいし…とにかく会う前から智樹さんのまりあに対する執着は怖かった。
だから俺初め言ったろ?あんまり智樹さんに近づくなって」
「でもそれじゃあ朔夜さんにばかり迷惑をかけちゃう…」
「それでも智樹さんに、もう会わせたくない。 これは俺の嫉妬な?
だって俺の方こそ、まりあをずっと欲しかった。」