【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
よくよく見れば、私は自分の体よりずっと大きなベッドで眠っている。
その男はベッドに腰をおろしたかと思えば、面倒な物でも見るような眼差しをこちらへ向けた。
「俺んち。」
「あなたの家…?!私、生きているの?」
「は?何言ってんだよ。まさか本当に死ぬつもりで…」 男がそこまで言いかけたと思えば、ベッドが大きく揺れた。
その場でゆっくりと身を起こすと、ベッドに飛び乗り真っ白の掛布団の上であぐらをかきながらこちらを見つめる男がもう一人。
無表情にベッドに腰をおろす男とは対称的にニッと笑顔をこちらへ向ける。
パーカーとジーンズのラフな格好をしている同い年位の男の子。サラサラの茶色のショートマッシュの髪型。
犬のように人懐っこいやんちゃな笑顔を向ける。肌は少しだけ黒く健康的で、タイプは全く違うが彼も整った綺麗な顔をしている。
動くたびに両耳に揺れるピアスがきらりと光る。
「ど~も、初めまして、椎名まりあちゃん」
「どうして私の名前……!」
「どーしてもこーしてもなくって、俺達君を探していたから。
ようやく探し当てたかと思えば海で溺れてるってオチどうかと思うけど~」
「別に溺れていたわけじゃあ……」