【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「大体自殺行為だよ?!11月の海にワンピース一枚で泳ぐなんて。
もうちょっと自分の体は大切にするべきだよ~ッ」
ワンピース。そういえば、私はワンピース一枚だった。
自分の体を確認すると、白いワイシャツが着せられている。けれど掛布団の下は何も履いておらず下着一枚だ。
そしてここはどうやら天国ではない様だ。 きょろきょろと辺りを見渡せば大きなベッドの置かれているこの部屋はとても大きかった。
パッと見でも分かる。外国の様な造りをしている。こんな豪華なお屋敷はテレビでしか見た事がない。
私が腰をおろす真っ白の大きなベッドに合わせるように、家具も全て白で統一されていた。 まるでフランスの宮殿の様だ。…行った事はないから完璧にイメージなのだが。
そんな真っ白の空間の中で唯一色のある物…。目を見張るくらい大きな水槽が壁面へ埋め込まれている。
青白く光るその水槽の中を、美しいサンゴ礁があり様々な色を背に持つ熱帯魚がすいすいと泳いでいた。 夢の中で聴いた水音は、この水槽の音だ。
「ねぇ…あなた達って一体」
交互に彼らの顔を見ると、一人には目を逸らされ、もう一人はニッと人懐っこい顔をして笑った。