【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「俺は、横屋敷 悠人。
まりあの隣に居る不愛想なのが横屋敷 朔夜ね。いちおー兄弟ね」
犬のような人懐っこい笑顔を持つやんちゃな方が悠人。
不思議な色の瞳を持つ無表情な方が…朔夜ね。 兄弟と言われてもどちらが兄で弟かは定かではない。
けれどここが彼らの家である事と、彼らが私の名前を知っている事は間違いない。 でも、私はこんなに立派な家の人間とは関わりがない筈だ。
「あ、因みに俺が弟で
朔夜がお兄ちゃんね。つっても2個しか変わらんけど。俺は22歳で朔夜は25歳。
それにしてもまりあ可愛いねぇ~ッ。俺らの探しているまりあが可愛い子で良かったあ~」
悠人さんがふにゃっとした笑顔を見せる。 何も分からない。全く持って頭が追い付いていかない。
どうして彼らが私を探していたというのだ。 そして何故こんなにも馴れ馴れしく私の名を呼ぶのか。
分かっている事は、私はあの海で命を絶とうとしていた。どうしようもない自分の人生に終止符を打つところだった。 けれどこの人達に助けられて、横屋敷という聞き覚えのない立派なお屋敷に居る。それだけだ。
「ね、朔夜。まりあ可愛いよね」
「全然タイプじゃねぇ。もっと色気のある女だったら良かったけどな」
「なッ……」