【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~

悠人さんは私の手を取りソファーに座らせると、その対角線上朔夜さんがむすりと顔をしかめたままファッション雑誌に目を落とす。

あれから数回会ったが、あの夜の事は互いに口に出さない。というか、ほぼ会話は無い。

「春太さんのお見舞いに行ってたんでしょう?!俺も誘ってくれれば良かったのにー」

「でも悠人さん、大学が忙しいと思ったから…」

「大学なんてとっくに休みだよぉ~
暇で暇でしようがないんだからぁ~…」

「何が、暇だ。お前は忙しいだろう?ろくに大学も行かねぇで女と遊んでばかりいやがって」

朔夜さんが口を挟む。 すると悠人さんは子供のように頬をぷくっと膨らませる。

「悠人さん、彼女が居るの?」

「うん。見る?!」

嬉しそうに携帯の画像フォルダーを開くと、そこには少し派手だけど可愛らしい女の子と顔を寄せ合う悠人さんが写っていた。

「わぁ、可愛い人。お似合いだね」

「そぉー、これがかおりちゃん。
で、れなちゃんでしょう、それにゆなちゃん」

指で画面をスクロールするたびに、違う女の子とのツーショット。
悪びれなく、悠人さんは笑った。 タイプは違えど、可愛くて綺麗な人ばかりだった。

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