【完】囚われた水槽館~三人の御曹司からの甘美な誘愛~
「どこか行きたい場所はある?!」
「えー…行きたい場所…行きたい場所…
んー…」
「おい、悠人無理は止めろ。困ってるじゃねぇか。大体その女に手を出すとあいつが黙っちゃいないだろうが」
「勿論朔夜も一緒にだよぉ!誰も二人きりとは言ってないじゃんかね。
それにまりあは遊んでる女の子とは違うもんね。
俺にとっては、妹みたいなもんだからさ」
「どっちかというと悠人さんの方が弟っぽいですけどね」
「えぇー?!そう?!そんな弟キャラ?」
「あんまり年上には…見えないかな?」
ブッと小さく朔夜さんが笑った。 悠人さんは不思議な顔をして私と朔夜さんを交互に見やる。
「悠人、お前馬鹿にされてんだぞ?ガキ臭いってな。」
くっくっと嬉しそうに朔夜さんが笑うと、横に居た悠人さんは子供のように頬を膨らませた。
この人達は、家族ではない。けれども和やかなこの雰囲気にふっと頬が緩む。 こんな風に平穏な日々を過ごした時間が、今までの私の人生にあっただろうか。
心が柔らかくなっていく。 悠人さんは隣で目を丸くして私を凝視して、目の前にいる朔夜さんも目を瞬かせた。