パリで出逢った ソウルメイト
エマはアンヌおばあちゃんの 
最近の様子をカトリーヌに聞いていた。

「エマ、ショックかもしれないけど、
最近のアンヌママは、
だいぶ認知症が進んでいるのよ。 
もう、顔をみても 私の事をエマって呼んだり、
リサって呼んだり、
時々しっかりしてる時もあって 
良介と私とおしゃべりしたりできる時もあるの」

「そう。もう 長くないかもしれないわね。
いつもリサを乗せてアンヌママのところにお見舞いに行ってるってリサから聞いてるわ。
本当にありがとう。カトリーヌ。」

「前にも話しした事あるけど、
アンヌママは私達夫婦を救ってくれたのよ。 
結婚してもなかなか赤ちゃんに恵まれず、
検査しても2人共異常なし。 
良介はいつも 私を励まして支えてくれてたのに私は自分をいつの間にか追いつめていたの。
良介が私の様子が変たから 
アンヌママに相談したら  
次の日に私達の家に来て、アンヌママは  
"貴方達は 神様の事を信じてる?" って
そして この世でどんな状況であってもどんな生き方をしたかを神様は見ておられる。 
そして、悩みの無い人なんてこの世にいないわ。って。

結婚できずに悩んでる人、
結婚した事で悩みが出て来た人、
子供がいなく悩んでる人、
子供がいるのに子供で悩んでる人。 
みんな他人が羨ましいと思ってる。
まだ、出来ないと決まってないんだから、
悩み過ぎない事!

自分の子ではないけど、
良介には若いコックの見習いがいるじゃない。
彼等が自分の子だとしたら、
どういうコックさんになって欲しい?

料理はもちろん、大人の常識やモラルを教えるでしょう。
そう考えれば 貴方達夫婦には沢山の子供がいるわ〜!
 
カトリーヌ、確かに自分達の子が欲しいのは本当にわかるわ!
でも人生を受け入れた時、神様は貴方達夫婦にどうなって欲しいとお考えになってるのかしら。
って。
あの時は 救われたわ。
その後妊娠したんだけどお腹の中で育ってくれなくてネ。
だから、良介と話し合って、私達の知り合いの子は
【み〜んな】私達の子供と思う事にしたのよ。」

だから…
カトリーヌと良介さんは、いつも私のママを大切にしてくれてたのね。
 

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