友達から恋人になる方法
「あ、成美」


後ろから、声がした。


いや、振り向きたくない。


「なあ、こっち向けよ」


竜也の声。


顔、見たくない。


「‥‥なる?」


固まる私にゆうが心配そうに顔を覗き込んでくる。


「成美、いつ返してくれんの?」


言わないで。


ゆうの前でそんな話しないで。


「告白の返事、いつ返してくれるんだよ」


ああ、言われた。


ゆうの顔が見たい。


でも、見れない。


見るのが、怖い……。


「あ、そっか。じゃあ、あとは2人で」


ゆうがそう言うと、私の視界にあった靴が消えた。
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