友達から恋人になる方法
「悠馬くんが好きです……」


えっ、ゆう?


慌てて近くの本棚に隠れる。


少し覗くと、乃亜さんとゆうが向かい合ってた。


ああ、宣言は本気なんだ。


ゆうは、乃亜さんの彼氏になるのかな。


やだよ。


好きだってわかったのに、勘違いでケンカして、そのまま別の人の彼氏になっちゃうの?


やだ……。


涙が溢れてきて、私は声を抑えるのに必死だった。


そのせいでなんて話してるのか聞き取れない。


唯一、最後の乃亜さんの声がちゃんと聞こえた。


「尾上成美さん、いるんでしょう?いい加減、2人で話してよ」


その瞬間、私は勢いよく頭を上げたから本棚に後頭部をぶつけた。


……痛い。
< 126 / 218 >

この作品をシェア

pagetop