友達から恋人になる方法
「なるのことになると、余裕がなくなる」


ゆうが急にそう言った。


「なん、で?」


「それくらい好きなんだと思う。竜也と水族館一緒にいるって聞いたとき、すっごい焦ったし。ごめんな、嫉妬深くて」


そう言って、眉を下げて笑ったゆうを思わず抱きしめた。


これが、私のしたかったこと。


誰にも見せたことのない、自分。


「私もね、乃亜さんに詰め寄られてるゆうを見て、イヤだった」


「うん」


私の抱きしめる腕に力が入る。


「だから、自分だけなんて言わないで……。私もゆうが大好きなんだから」


そう言うと、ゆうの腕が私をぎゅっと抱きしめた。
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