友達から恋人になる方法
「あっちの棚……」


そう言って指差すと、ゆうはそこまで行った。


「その箱と、紙袋」


本当にこんなので伝わるのかと思ったけど、ゆうは大正解をした。


それを私は、受け取るとゆうに紙袋を差し出した。


「これ、バレンタインの……。でも、昨日作ったやつだから風邪うつっちゃうと思うから、食べなくていいよ。今度、作り直して渡す……」


そう言うと、ゆうは私から紙袋を取り上げた。


「ガトーショコラ?」


「うん。甘さ、控えめにしてあるの」


ゆうは、甘いものがそんなに得意じゃないから。


「ありがと」


そう言うと、ゆうはガトーショコラを口に入れた。
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