友達から恋人になる方法
「ゆう……っ」


私の涙が止まるまで、ゆうは頭を撫で続けてくれた。


「あ、もう一つ、渡さなきゃ」


一通り泣くと、すぐに切り替える。


ゆうから離れると、小さい箱を手渡した。


大きさよりも多少重い、小さな箱を。


「誕生日、おめでとう」


「ありがとう」


笑って渡すと、ゆうも笑ってくれる。


「開けていい?」


「もちろん!」


ゆうがリボンをほどいて取り出したのは、腕時計。


どんなのが好きなのかわからなかったから、シンプルでいつでも使えそうな物にした。


「ゆうって、あんまり時計してるイメージないから、それ、付けててくれたらなって」
< 186 / 218 >

この作品をシェア

pagetop