友達から恋人になる方法
「……ほんと、ごめん」


そう言うと、ゆうは立ち去っていった。


その時、ゆうの涙を見た気がしたけど、ちゃんと覚えてない。


なんなら、そのあと家に帰ってきてからのことも覚えてない。


意識がはっきりしたのは、由依からの電話だった。


「成美?なんかあった?」


「由依……っ」


電話越しに私は大泣きした。


出てこなかった涙がいっぱい出てきた。


「ゆうに……振られたっ……」


振られた、その言葉が重い。


実感させられて、どんどん気持ちが沈んでいく。


こう言う時、由依はなんで言ってくれるんだろう。


他にもいい人いっぱいいるよ、とか言うのかな。
< 197 / 218 >

この作品をシェア

pagetop