友達から恋人になる方法
「それに、悠馬は距離の取り方を間違えたりしないから、成美は、今の距離感でいればいいと思う」


そうだ、ゆうは距離を取るのが上手だった。


絶対に友達以外、踏み込ませない。


「そうだね。ありがと」


顔をあげれば、いつもの分かれ道だった。


「じゃ、また明日」


「じゃあね」


分かれ道を1人で、いつもより早歩きで歩く。


羅崎乃亜さん……。


本当に、ゆうが好きなら、あの人の大きな瞳には私はどう映っているんだろう。


ふと、見上げた空は曇っていた。
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