友達から恋人になる方法
「ねえ、一緒に帰ろーよ。今日、部活ないんでしょ?」


甘い声でそう言ってる、女の子がいたから。


羅崎乃亜さん……。


ズキンと胸が軋んだ音がした。


「一緒に帰る人がいるんだけど」


「あの、隣のクラスの学級委員の子でしょ?真面目そうだよね。あんなタイプが好きなの?」


それは間違い無く、私のことだった。


あんなタイプ……。


すごい、貶されてる感じがする。


「友達だって。何回も言ってんじゃん」


珍しくゆうが、適当にあしらおうとしている。


「相手は、そうは思ってないかもよ?」


丸聞こえの会話を少し虚しくなりながら聞く。


「ねえ、いいじゃん」
< 26 / 218 >

この作品をシェア

pagetop