友達から恋人になる方法
そう言って、彼女はゆうにぐっと顔を近づけた。


ゆうの顔にどこか疲れが見え始めた。


「ゆう……」


私は、呟くように言った。


その声はゆうに届いたみたい。


「なる、帰ろ」


気づいたゆうがこっちを見て、安堵したように言った。


うん!


そう、言いたかったけど、私が放ったのは真逆の言葉だった。


「ゆう、今日はいいよ。一緒に帰らなくても」


目の前でゆうが困った顔をする。


「なる……?」


「ごめん、先帰るね」


そう言って、私はゆうの前から立ち去った。


後ろからゆうの呼び止める声がしたけど、振り返れなかった。


ううん、振り返らなかった。
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